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相原一智ピアノリサイタル ショパンの協奏曲をめぐる音の旅

2017年11月26日(日) 14:30 新潟市音楽文化会館 相原一智ピアノリサイタル ショパンの協奏曲をめぐる音の旅

◆モーツァルト
 グルックのオペラ《メッカの巡礼》の「われら愚かな民の思うは」による10の変奏曲 ト長調 K.455/モーツァルト
~「山」「夜」「風」「水」~のテーマに照らし合わせた小品の演奏と協奏曲にちなんだトーク
 エチュード集作品25-1(エオリアン・ハープ)/ショパン
  相原一智(Pf)
 エチュード集作品25-3/ 〃
  高橋悠花(Pf)
 エチュード集作品10-1/ 〃
  相原一智(Pf)
 エチュード集作品10-3(別れの曲)/ 〃
  丸山亜希子(Pf)
 エチュード集作品10-4/ 〃
  高橋悠花(Pf)
 エチュード集作品10-5(黒鍵)/ 〃
  相原一智(Pf)
◆リスト編曲歌曲集より
 糸を紡ぐグレートヒェン/シューベルト リスト編
 献呈/シューマン リスト編
  丸山亜希子(Pf)
 エチュード集作品10-11(革命)/ショパン
 エチュード集作品25-5/ 〃
  相原一智(Pf)
◆ショパン
 ピアノ協奏曲第1番ホ短調作品11(ピアノ2台版)
  第1楽章 Allegro maestoso ホ短調 3/4拍子
  第2楽章 Romanzae,Larghtto ホ長調 4/4拍子
  第3楽章 Rondo,Vivace ホ長調 2/4拍子 
   相原一智(Pf)
   梅原圭(Pf オーケストラパート)

ゆっくりとした休日の午前を過ごし、少し雑用をして、昼食をとり、休憩してから、音楽文化会館へ。開演3分前に到着。
感想は、「ショパンを多面的・立体的に捉える企画と真摯な演奏に打たれる」です。
最初はモーツァルトの「グルックのオペラ《メッカの巡礼》の『われら愚かな民の思うは』による10の変奏曲」。明るく歩み出し、速足、駆け足と速度を上げ、軽く飛び跳ねて、勢いを緩め、歌うように奏でて、再び駆け出し、山谷を突き抜けて、快く着地しました。
ここでゲストプレイヤーを迎えて、ショパンのエチュードを弾き分ける趣向。書く奏者に自らが弾く曲から受ける印象を語ってもらい、その後演奏するスタイルで行われました。
まずはエチュード集作品25-1(エオリアン・ハープ)から。湧き出る泉が現れ、せせらぎを綴りました。続いて奏者を交代して作品25-3。じゃぶじゃぶと掻きまわし、水面を波立たせました。さらに奏者が交互に入れ替わり、作品10-1で打ち寄せる潮の満ち引きを描き、作品10-3で甘やかな切なさと薔薇の花びらが舞い散る様を描写し、作品10-4になると忙(せわ)しく急(せ)き込んで、渦を巻き、作品10-5(黒鍵)で光の粒子を弾ませて、転がる様に駆け抜けました。
次は同時代のリストにスポットを当て、ショパンとの違いを示すコーナー。有名な作曲家の歌曲を編曲したものが2曲。シューベルトの「糸を紡ぐグレートヒェン」ではカラカラと回る糸車に乗って、愁いを波立たせ、シューマンの「献呈」を浪漫の薫りで揺らして、青春の輝きを映しました。
前半最後は再びエチュード集で締め。作品10-12(革命)を、思いつめたようにかき鳴らし、作品25-5では、酸味の聞いた葡萄色でお道化る様に演じました。
休憩を挟んで後半は本日のメイン、「ピアノ協奏曲第1番ホ短調」。伴奏の鍵盤が力強く草原を開拓し、主役の登場を待つと、独奏が繊細で煌びやかにその姿を現し、やがて縦横に舞い踊って、華麗なる技を見せる第1楽章。練乳の柔らかさでまどろみを誘(いざな)い、穏やかに持て成す第2楽章。愉しげに跳ね、支える打鍵と会話し、選ばれたものが放つ耀きを香らせて、捻りを効かせる第3楽章。渾身の力を注ぎ、包み込む存在と対峙して、大いなる協奏を構築しました。
客席からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは出演者全員で2台8手によるエルガーの「威風堂々第1番」。華やかに打ち上げて、にぎにぎしく終演となりました。
様々の方向からショパンに迫るこのリサイタルは、演者の学究的な側面を良く表し、不断の錬磨での成果を十二分に発揮して、素晴らしい結果を残したことに感動して、喜ばしい気分で、帰路に付きました。
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