植木和輝 第3回19世紀ギターリサイタル

2017年12月2日(土) 19:00 新潟市民芸術文化会館スタジオA 植木和輝 第3回19世紀ギターリサイタル

18の漸進的練習曲 Op.51より/ジュリアーニ
 第13番 アレグレット
 第14番 グラツィオーソ
24の小品 Op.20より/マティーカ
 第6番 変奏曲ハ長調
 第10番 メヌエット(プレスト)
10の練習曲より/レゴンディ
 第1番 モデラート
 第3番 アレグレット・コン・モート
6つの小品「やって見ましょう」Op.45より/ソル
 第5番 アンダンテ
「喜びの歌」の主題による変奏曲/キンドル
ノクターン第2番 Op.9-2/ショパン タレガ編
ソナタ第2番 Op.31/マティーカ
 1.アレグロ・マエストーソ
 2.メヌエット
 3.「アンリ4世万歳」による変奏曲
18の夜のディヴェルティメント Op.86より/ジュリアーニ
 1.アンダンティーノ
 2.アレグロ
 3.アンダンティーノ
 4.アレグレット
 5.アンダンティーノ
 6.アレグレット
タンゴの歴史 より/ピアソラ
 2.カフェ 1930
 1.ボーデル 1900

植木和輝(Gt)
手島尚子(Fl)

仕事を終え、りゅーとぴあへ行くも駐車場が満車で市役所の裏のパーキングへ。それでも開演40分前に到着。
感想は、「静寂を際立出せる六弦と、爽やかな風を起こす笛の音(ね)に聞き入る」です。
まずはギター1本でジュリアーニの「18の漸進的練習曲」より2曲。古風で柔らかい音色(ねいろ)で、緩(ゆる)やかに爪弾くアレグレット。優しく明るい足取りで歩み、大らかにうねるグラツィオーソ。古(いにしえ)より伝わる楽器で安らぎを届けました。続いてマティーカの「24の小品」から。「変奏曲ハ長調」を楽しげに弾(はず)ませ、旋律の糸を解(ほど)いて明暗で塗り分け、「メヌエット」では細やかに跳ね、まろやかに連射して、きりりと縁取りました。ギターを持ち替えて、プログラムにはないソルの小品から1曲を淡く甘やかな鼓動を伝えると、そのままレゴンディの「10の練習曲」よりへ。穏やかで華やかに波立ち、縦横に駆け巡るモデラート。しなやかに糸を紡ぎ、軽やかな布帛(ふはく)を織りなすアレグレット。硬質な響きを付け加えて、技巧を綴りました。次はソルの「6つの小品『やって見ましょう』」より「第5番 アンダンテ」。愉快な気分で遊び、暗がりへ転げ込んで、日向へと舞い戻りました。ここで年末に因んでキンドルの「『喜びの歌』の主題による変奏曲」。散り散りに分かれた主題が、次第に纏(まと)まって姿を見せ、再び解き放たれて、膨らみ、収縮して、変幻の器に盛られました。前半最後は有名なショパンの「ノクターン第2番」をタレガが編曲した版で。蕩(とろ)けそうな誘惑を端正に包んで、静けさで彩りました。
休憩を挟んで後半はマティーカの「ソナタ第2番」。薄っすらと翳りを宿して進み、やがて晴れやかに光を受けて煌めくアレグロ・マエストーソ。青味掛かる影が差し、快く躍るメヌエット。俯(うつむ)いて沈み込み、顔を上げて笑い、無邪気に振舞う「『アンリ4世万歳』による変奏曲」。様々な表情で奏で、自在な仕草で鳴らしました。ここで今夜のゲストであるフルートが登場し、ジュリアーニの「18の夜のディヴェルティメント」より6曲。輝きの帯がゆったりと流れ去るアンダンティーノ。足早にそよ風が吹き渡るアレグロ。ゆっくりと涼やかな息吹で飾る2度目のアンダンティーノ。透き通る青空を舞い踊るアレグレット。暖かくまろやかな蹄声(なきごえ)で癒す再びのアンダンティーノ。歓喜と悲哀が入り混じり、駆け足で走り去る最後のアレグレット。絡み合い、溶け合って、喜びを分かち合いました。プログラム最後はピアソラの「タンゴの歴史」から前半の2曲。夕暮れの愁いが香り、忍び寄る憂鬱が揺蕩(たゆた)う「カフェ 1930」。陽気な囀(さえず)りで跳ね、滑らかに乱舞して、琥珀色の薫りを漂わせる「ボーデル 1900」。南半球の調べを交わし合いました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールが2曲。「ポル・ウナ・カベサ」が溌剌と切なく賑わすと、「花は咲く」でしみじみと心を慰めて、この素晴らしいコンサートを締めくくりました。
高度な技と誠実な魂が作り出す見事な音楽にまた出会えたことに感想して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。
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